ノロウイルス
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、毎年冬から春にかけて流行しています。
ノロウイルスに感染すると、主に脱水で入院が必要となったり、高齢者などの場合では最悪死亡することもあります。
しかしながら、ノロウイルスに対しては有効な治療法やワクチンが確立されておらず、自然治癒するまで待つしかないのが現状です。
国立感染症研究所 感染症疫学センター 感染症発生動向調査 2015
予防が何よりも大事!
ノロウイルスに限らず、感染症への対処で最も重要なのは予防です。
感染症が流行する前に、「ノロウイルスによる感染症の流行が生じるかもしれない」という情報が得られるとしたら、手洗いを徹底するなどして、ノロウイルスによる感染から自分と家族の健康を守ることができるのではないでしょうか。
今回、当研究共同体では、下水中のノロウイルス濃度を継続的に測定し、増加が認められたら「下水中ノロウイルス濃度情報」として発信するシステム(下図)を考案しました。是非、このシステムにご登録頂き、下水中ノロウイルス濃度情報を予防に役立てて頂きたいと考えています。
感染予防対策
1.手洗いをよく行う。
ノロウイルスに感染した人の手を介して感染が拡大する場合があります。トイレの使用後、オムツ替えの後、調理を行う前などによく手洗いをしてください。
2.食べ物をよく加熱する。
ノロウイルスはカキなどの二枚貝(貝殻2枚で身を覆っている貝)の体内に蓄積されやすいことが知られています。二枚貝を食べる際には、十分に加熱するようにしてください。十分な加熱は、調理の内容によって異なりますが、身の中心部まで熱がしっかり通ることが目安です。
3.ドアノブ、イスなど、手で触れる場所を消毒する。
ノロウイルスに感染した人が触れたドアノブなどを介して感染が拡大する場合があります。家庭内で手でよく触れる場所をアルコールなどでよく拭いてください。
4.キッチンや調理器具を消毒する。
ノロウイルスに感染すると、症状が出る前から排出され始めます。下痢や熱などの症状がなくてもノロウイルスに感染している人が調理をすると、食事をした人に感染する可能性が出てきます。キッチンや調理器具をこまめに消毒してください。消毒は、次亜塩素酸や熱湯が最も効果的ですが、次亜塩素酸やお湯が周りにない場合には、エタノールによる消毒でも(単なる水洗いより)効果がある場合があります。