下水ウイルス
情報発信

下水ウイルス情報を活用した感染症適応社会の確立に向けて

大きな混乱を世界中で巻き起こしている新型コロナウイルスによる感染症の例を出すまでもなく、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、デングウイルス等、様々な病原ウイルスによる感染症が全世界で多大な被害を生じさせてきています。

これらのウイルス性感染症を制御するために、感染流行期における集会の自粛やうがい・手洗いの徹底、蚊などの媒介生物の除去等が衛生学的対策として取られますが、その対策を発動するための根拠として、都市下水に含まれる疫学情報を活用することを本研究では試みています。

都市下水には医療機関を受診する患者のみならず不顕性感染者からの糞尿も含まれるので、我が国の都市部のように下水道システムが発達した社会であれば、下水処理区域内の住民が感染し糞尿中に排泄した病原体が全て下水処理場に流れ込むことになります。

本研究では、都市下水に含まれるウイルス情報(濃度、変異体等)を取り出し、下水集水域コミュニティの健康情報として活用することを目指しています(下図)。