今シーズンのノロウイルス感染流行について

 
 

平成30年1月30日に情報を発信させて頂いて以来ほぼ2ヶ月が経過しました。昨年までずっと感染性胃腸炎の流行が観測されてきていましたが、今冬は感染性胃腸炎患者報告数が少なく流行が見られない状況です。非常に驚いています。一方で、流入下水中のノロウイルス濃度は高止まりの状況が続いており、情報を発信したままの状態を続けています。さらに、これまで流行が起こったとしても3月下旬の段階においては基準値を大きく下回っていました。流入下水中のノロウイルス濃度から判断すれば感染性胃腸炎の流行が起こっているはずですが、流行が観測されないことは例年とはかなり状況が異なっていると判断してます。

感染性胃腸炎の流行が観測されないことは大変嬉しいかぎりですが、全国的にも流行が観測されていないことから情報発信システムが有効であると判断することはできない状況です。一つ考えられることは、患者数の報告は定点小児科医院からのデータが基本となっていますので、小児の患者が減少したことによるものと考えられます。一方、社会では大人の患者が多く存在しており、比較的症状が軽いか、もしくは不顕性感染者がかなり多いのではないかと推察しています。このような状況については、今後の経過を把握した上で4月中には改めて報告させて頂きます。

今後のご協力をお願いいたします。

 
 

感染予防対策

1.手洗いをよく行う。  
ノロウイルスに感染した人の手を介して感染が拡大する場合があります。トイレの使用後、オムツ替えの後、調理を行う前などによく手洗いをしてください。

2.食べ物をよく加熱する。  
ノロウイルスはカキなどの二枚貝(貝殻2枚で身を覆っている貝)の体内に蓄積されやすいことが知られています。二枚貝を食べる際には、十分に加熱するようにしてください。十分な加熱は、調理の内容によって異なりますが、身の中心部まで熱がしっかり通ることが目安です。

3.ドアノブ、イスなど、手で触れる場所を消毒する。  
ノロウイルスに感染した人が触れたドアノブなどを介して感染が拡大する場合があります。家庭内で手でよく触れる場所をアルコールなどでよく拭いてください。

4.キッチンや調理器具を消毒する。  
ノロウイルスに感染すると、症状が出る前から排出され始めます。下痢や熱などの症状がなくてもノロウイルスに感染している人が調理をすると、食事をした人に感染する可能性が出てきます。キッチンや調理器具をこまめに(熱湯やアルコールなどで)消毒してください。

 
 

その他、衛生対策に関するより詳細な情報は以下のサイトをご覧下さい。

ノロウイルスに関するQ&A(厚生労働省) 

ノロウイルス感染症(国立感染症研究所・感染症情報センター)

ノロウイルス(感染性胃腸炎・食中毒)対策〜冬は特にご注意を!〜(首相官邸)