下水中ノロウイルス濃度が上昇しています!

 
 

ノロウイルス情報発信システムにご登録いただいている皆様には8月8日以来のご連絡になります。2017年ー2018年の冬季において、流入下水中のノロウイルス濃度が情報発信濃度を超えていたにも関わらず、顕著な流行は見られなかった事について、次世代シーケンサーを用いてノロウイルスの遺伝子型を調べ検討いたしました。その結果、これまでに検出されてきたGII.2 MKO4、GII.4 Sydney、GII.17 Kawasakiが主要な遺伝子型として検出されました。ただ、中でもGII.2 MKO4が主要な遺伝子型となり、このタイプのノロウイルスは病原性が低いのではないかとの推論をしていますが確かなことは良くわかっていません。何れにしても、新たな遺伝子型のノロウイルスが流入下水中には存在していないことがわかりました。したがって、2017年ー2018年のノロウイルスによる感染状況は例年通りであったと考えています。
ただ、例年の流行が見られなかったことは、感染性胃腸炎の患者報告数が小児科の定点観測からの情報をもとに報告されていることから、児童や幼児の患者数が例年とは異なって少なかったことを示していると考えられます。本ノロウイルス情報発信システムによる効果ということは判断できませんが、各種メディアからの情報発信を含めて、少なくとも児童や幼児が通う小学校、幼稚園および保育園でのノロウイルス感染に対する取り組みが功を奏したのではないかと考えています。
ところで、今年もノロウイルスによる感染性胃腸炎の流行時期が近づいて来ました。今年の情報発信濃度は非流行期と考えられる期間の流入下水中のウイルス濃度が高かったため昨年度より高くなっています。今後、流入下水中のノロウイルス濃度をホームページで発信していきますのでチェックをしていただきたいと思いますし、情報発信濃度を超えた場合は流行防止の対策を家庭、小学校、幼稚園、保育園等のそれぞれで取っていただくことをお願いいたします。

 
 

感染予防対策

1.手洗いをよく行う。  
ノロウイルスに感染した人の手を介して感染が拡大する場合があります。トイレの使用後、オムツ替えの後、調理を行う前などによく手洗いをしてください。

2.食べ物をよく加熱する。  
ノロウイルスはカキなどの二枚貝(貝殻2枚で身を覆っている貝)の体内に蓄積されやすいことが知られています。二枚貝を食べる際には、十分に加熱するようにしてください。十分な加熱は、調理の内容によって異なりますが、身の中心部まで熱がしっかり通ることが目安です。

3.ドアノブ、イスなど、手で触れる場所を消毒する。  
ノロウイルスに感染した人が触れたドアノブなどを介して感染が拡大する場合があります。家庭内で手でよく触れる場所をアルコールなどでよく拭いてください。

4.キッチンや調理器具を消毒する。  
ノロウイルスに感染すると、症状が出る前から排出され始めます。下痢や熱などの症状がなくてもノロウイルスに感染している人が調理をすると、食事をした人に感染する可能性が出てきます。キッチンや調理器具をこまめに(熱湯やアルコールなどで)消毒してください。

 
 

その他、衛生対策に関するより詳細な情報は以下のサイトをご覧下さい。

ノロウイルスに関するQ&A(厚生労働省) 

ノロウイルス感染症(国立感染症研究所・感染症情報センター)

ノロウイルス(感染性胃腸炎・食中毒)対策〜冬は特にご注意を!〜(首相官邸)